ファビラスラフインの基本情報
馬名 | ファビラスラフイン |
生年月日 | 1993年4月13日~2013年5月1日 |
父 | Fabulous Dancer |
母 | Mercalle |
戦績 | 7戦4勝 |
主な勝ち鞍 | ’96秋華賞(G1) |
調教師 | 長浜博之 |
騎手 | 松永幹夫 |
馬主 | 吉田和子 |
生産者 | Mr Raymond le Poder |
フランス生まれの可愛いfille。
だけど、その性格は勝気な少女だったわ。
その名前は競馬という狩るか狩られるかの世界で、並み居る牡馬たちを狙うイメージが込められたの。
現役時代は主に中距離で活躍をしていたわ。
母はフランス生まれのメルカル。
この2頭から生まれたファビラスラフインは、日本で競走馬として走ることが決まり外国産馬としてデビューを迎えたのよ。
その初陣は1996年2月の阪神のダートでの新馬戦だったの。
鞍上には藤田伸二を迎えたわ。
3番人気ではあったけど、2着に7馬身差をつける圧勝劇だったわ。
続くレースは1ヶ月後の500万下の芝の1600m戦だったの。
初芝にも関わらず前走同様に2番手からレースを進め終わってみれば5馬身差の圧勝。
勝気な少女ではあったけど、その秘めたるスピードは見ているものを凌駕するほどだったわ。
このファビラスラフインも例外ではなかったわ。
桜花賞に出ても面白かったはずだけど、出れないものはしょうがないわね。
キャリアはわずか2戦だけど、その2戦で見せた才能は驚くものだったわ。
重賞戦線で活躍してきた馬を押さえ、ファビラスラフインは1番人気に支持されたの。
朝日杯2着のエイシンガイモン、アーリントンカップを勝ったスギノハヤカゼ、シンザン記念を勝ったゼネラリストなど強豪がひしめき合っていたわ。
そんな中で1番人気に支持されたファビラスラフインに見ている方も、何かを感じていたのでしょうね。
1枠2番からスタートすると果敢にハナに立っていったファビラスラフイン。
直線を向いてその勢いは衰えることなく勝利。
このメンバーでの勝利は価値あるものだったわ。
これで堂々と本番に向かったわね。
その記念すべき第1回目にファビラスラフインは1番人気で挑むこととなったわ。
だけど、とんでもない誤算が待ち受けていたわ。
前が引っ張ったペースは1000m通過が56.7と超ハイペースだったの。
ファビラスラフインはこの乱ペースに見事なまでに巻き込まれてしまったわ。
馬群に飲み込まれていく1番人気。
終わってみれば勝ち馬から離されること2秒と大敗だったわ。
記念すべき日に名前を刻みこめなかったファビラスラフインは、秋の雪辱を信じていたのよ。
圧倒的1番人気にはオークスを制したエアグルーヴ。
ファビラスラフインは5番人気という評価だったわ。
鞍上には先約があった藤田伸二に変わり、復帰したばかりの松永幹夫が手綱を取ったの。
逃げたシルクスプレンダーが作ったペースは、1000mを58.7で通過していきまたもハイペース。
行きたがるファビラスラフインを松永幹夫はしっかりとコントロールしながら走っていたわ。
後ろにはエアグルーヴがいたの。
3コーナー中間地点からエアグルーヴ鞍上の武豊の手が激しく動き出したわ。
全く動かないエアグルーヴ。
あのハイペースを先団で付いていき、最後は1馬身半の差を付けて見事に第1回目の勝ち馬となったのよ。
やはりこの馬の能力は伊達ではなかったわね。
次走でその力をいかんなく発揮することになるわよ。
この年のジャパンカップには世界から好メンバーが揃っていたわ。
凱旋門賞を制したエリシオ。
キングジョージを勝ったペンタイヤ。
ブリーダーズカップターフで2着のシングスピールなど過去最強のメンバーと言っても過言ではなかったわね。
そのまま直線に向くと、エリシオとカネツクロスを交わし先頭にファビラスラフインが躍り出たわ。
馬群の真ん中からシングスピールが伸びてきたけれど、ファビラスラフインも先頭は譲らないわ。
そのまま2頭の叩き合いが続き、最後はシングスピールにハナ差で敗れてしまったのよ。
だけど、3歳牝馬のジャパンカップ2着は相当な価値があったわ。
粉々に砕かれた自信を自らの手で再度引き寄せ世界の舞台で最高に輝いた、フランスが生んだ競馬界の“ジャンヌダルク”こそ、ファビラスラフインのことなのよ。