スランプを乗り越えた彼女は有馬記念で完勝し有終の美を飾りました。
ジェンティルドンナの基本情報
馬名 | ジェンティルドンナ |
生年月日 | 2009年2月20日 |
引退 | 2014年12月28日有馬記念(G1) |
父 | ディープインパクト |
母 | ドナブリーニ |
戦績 | 19戦10勝(10.4.1.4) |
調教師 | 石坂正 |
馬主 | サンデーレーシング |
産地 | 安平町(ノーザンファーム) |
2014年、2度目の年度代表馬を受賞したジェンティルドンナ。
最強牝馬の称号を手にしましたが、その年のスタートは幸先の悪いものでした。
海外G1制覇を目指しドバイシーマクラシックの出走を決めていた彼女が、前哨戦として走ったのは、2月の京都記念。
難なく勝って弾みをつけるはずでしたが、自身の最低着順である6着に終わってしまいます。
ドバイ遠征を前に、不安の残る結果となりました。
そのまま迎えた3月のドバイシーマクラシックでも、ジェンティルドンナは最後の直線で他馬に包まれ、行き場を失うという苦戦を強いられます。
前走のように、不甲斐ない結果に終わってしまうのかと思われましたが、彼女はここで屈しませんでした。
他馬を押しのけて進路を確保し、一気に外へ抜け出したのです。
そこから鋭い脚を見せたジェンティルドンナは、先頭を差し切り1着でゴール。
前哨戦の走りが嘘のようなレースぶりで、日本の牝馬では初となるドバイシーマクラシック制覇を成し遂げました。
海外G1制覇という大仕事を終え、帰国後に向かった先は宝塚記念。
勢いに乗って連勝を目指しましたが、ドバイで見せた鋭い脚を見せることはなく、2月に出した自身の過去最低順位をさらに更新する9着に沈んでしまいます。
この後、陣営はジャパンカップをもって引退することを発表しました。
最後の戦いに向けて英気を養うため、ジェンティルドンナは秋競馬まで休養に入ることに。
牡馬を負かしてきたあの圧倒的な強さが再び見られることを、誰もが期待したのは言うまでもありません。
しかし目標のジャパンカップ本番、ファンから復活した女王の姿を期待される中で、またしても勝利を逃がしてしまいました。
「最後」とするには、あまりにも不甲斐ない結果だったため、陣営は引退延期を決断。
改めて、ラストレースを有馬記念にすることを発表しました。
陣営は、2012年に成し遂げた牝馬三冠の名誉にかけても、彼女を負けたままで終わらせたくないと強く思ったのです。
迎えた有馬記念は、G1勝ち馬10頭というハイレベルなメンバーが顔をそろえました。
順調な滑り出しを決めたジェンティルドンナは、直線に入って先頭を捉えるとラスト100mで先頭に躍り出ます。
後続が追い上げてきましたが、彼女は先頭を譲りません。
最後まで粘り続け堂々の1着でゴールを駆け抜けたジェンティルドンナは、完全復活を遂げ有終の美を飾ったのです。
ドバイシーマクラシックと有馬記念制覇が評価され、ジェンティルドンナは2012年に続く、2回目の年度代表馬に選ばれました。